• 社長の「手間がかかる」「わからない」をお手伝いする小樽市の社会保険労務士です

    開拓時代、北海道経済の中心地だった小樽では、開拓に必要な物資は何でも入手できたでしょう。
    北海道では生産できない米穀、衣料・繊維などが本州から船で小樽に運ばれてきます。長靴などゴム製品、漁に使う浮き球や灯りとなる灯油ランプなどのガラス製品は、小樽の地場産業になりました。

    そして味噌・醤油や清酒の醸造業も小樽で発展します。特に有名だったのは、野口家の清酒「北の誉(きたのほまれ)」でした。(野口家の旧邸宅「和光荘」の記事はこちら
    しかし小樽の醸造業は衰退し「北の誉」もブランドは残るものの、すでに小樽に会社はありません。

    清酒「寶川(たからがわ)」を造る《田中酒造》は、現在、小樽唯一の造り酒屋です。
    今回は御年賀用に甘酒を購入してきました。甘酒も何種類かあり、これは酒粕でつくった甘酒(1本600円)です。

    Amazake

    小樽市色内にある田中酒造本店です。1927(昭和2)年に建てられた小樽市指定歴史的建造物です。
    店頭の「田中酒造店」の店名の前に『印(しるし)』が掲げられています。田中酒造の印は、⏋(カネ)とイの組み合わせで、カネイと読みます。
    『印』は商人が他者との区別のために使用したもので、小樽商人達に広く普及しました。大正~昭和初期の小樽の電話番号簿には、目当ての相手の印で検索できるものがあるほどだったそうです。

    Tanaka sake brewing
    10月撮影

    店内は正月の飾りがされていました。お店には清酒はもちろん、甘酒、みりん、酒まんじゅうや羊羹などお酒を飲まない方向けの品物もあります。

    Tanaka sake brewing

    こちらは小樽市信香にある田中酒造亀甲蔵です。本店と亀甲蔵はおよそ2.5km離れています。酒造りはこちらの亀甲蔵で行われています。

    Tanaka sake brewing
    小樽に大雪が降る前日に撮影。地面が見えています。

    亀甲蔵に掲げられている『印』は亀甲三(キッコウサン)と読み、この建物の当初の所有者・岡崎家の印です。小樽に多い木骨石造の構造で1905(明治38)年頃に建てられた倉庫が、現在は酒造場に再活用されています。
    田中酒造のカネイの印ではなくキッコウサンの印のまま、酒蔵の名前も亀甲蔵としているのは、かつての小樽の有力商人・岡崎家に対する田中酒造のリスペクトでしょうか。

    Former Okazaki Warehouse in Otaru
    Tanaka sake brewing

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