• 社長の「手間がかかる」「わからない」をお手伝いする小樽市の社会保険労務士です

    漫画『ゴールデンカムイ』の序盤は、小樽でストーリーが展開します。小樽には作品内で描写された建物など、いわゆる《聖地》がいくつかあります。それら聖地を、作品のファンの方が紹介されているサイトがいくつもあるのですが、入船町のJR函館本線・入船陸橋は取り上げられていないようです。
    そこで今回は、私が小樽における『ゴールデンカムイ』の聖地の一つだと思っている入船陸橋をご紹介します。

    下は『ゴールデンカムイ』第15話(単行本第2巻収録)の一コマからの転載です。
    橋梁を蒸気機関車が引く貨物列車が通過しています。橋脚は石積みのように見えないでしょうか。
    橋梁の下の通りには小川のような流れがあります。小川に沿って、電柱と街路樹が並んでいます。

    ゴールデンカムイ第15話の一コマ

    次の画像は、明治後期~大正期の小樽・入船陸橋です。現在のメルヘン交差点の方向から撮影されています。通りをまたぐ橋梁を走る蒸気機関車の姿が、『ゴールデンカムイ』の一コマとそっくりです。画像の右側、電柱と街路樹が並んでいるところに入船川が流れていました。

    明治後期の入船陸橋
    2枚の画像は北海道新聞社刊『写真で辿る小樽 明治・大正・昭和』から転載。オリジナルの写真は小樽市総合博物館所蔵。

    入船陸橋は1880(明治13)年の開通時は木造でしたが、1885(明治18)年に架け替えられ、橋脚は石積み、橋げたは鉄製に進化しました。次の画像は、架け替え後の2代目入船陸橋を走る6号機関車〈しづか〉号です。〈しづか〉号は『ゴールデンカムイ』の最終盤に登場しています。

    しづか号と入船陸橋
    しづか号が南小樽駅方向へ入船陸橋を渡る。列車の後方に見えるトンネルは現存していない。

    入船陸橋の周辺図です。『ゴールデンカムイ』の聖地である大正硝子館、小樽浪漫館から、観光地・堺町通りを経て、洋菓子店・LeTaoや小樽オルゴール堂があるメルヘン交差点まで移動します。メルヘン交差点から入船陸橋までは300メートル、交差点からも見えます。

    入船陸橋周辺図
    Mapion地図に追記しています

    現在の入船陸橋です。JR函館本線の小樽駅~南小樽駅間にあり、複線で電化されています。入船川は通りの下の暗渠になっていて、今はその流れを見ることはできません。橋げたは、明治期の石とレンガ造りの橋脚によって今なお支えられています。かつて入船陸橋には旧手宮線の線路も通っていたので、3線分の幅があります。旧手宮線こそが開通当時の線路だったのですが、1985(昭和60)年に廃止されました。

    現在の入船陸橋
    入船陸橋の橋脚

    しづか号が走った入船陸橋を、現代の電車が走ります。

    721系電車と入船陸橋
    南小樽駅方向へ入船陸橋を渡る快速「エアポート」721系電車

    『ゴールデンカムイ』と関連性のある場所が、さらに一つあります。
    入船陸橋の近くにある量徳寺は「ガムシン」こと新選組隊士・永倉新八の菩提寺です。作品内での土方歳三の小樽での活躍はフィクションですが、永倉新八は実際に小樽で暮らしていたそうです。
    量徳寺の中に、永倉新八ミニ資料館が設けられていて、無料で見学することができます。また門前に永倉新八菩提寺と記された石碑もあるのですが、冬季は雪に埋もれるようです…

    量徳寺
    永倉新八ミニ資料館

    最後に、もう一つ紹介したい場所があります。
    『ゴールデンカムイ』では小樽のまちなみの中に、ときどき蕎麦屋が描写されています。入船陸橋が描かれた第15話では、杉元佐一が、にしん蕎麦を賞味する場面があります。
    入船陸橋のすぐ側にある「手打ちそば いろは」は、昭和初期の建物を再活用したシックなお店です。残念ながら、にしん蕎麦はメニューにありませんが、美味しい蕎麦が食べられます。蕎麦はお好みで田舎と更科から選択することができます。お酒も揃っています。

    手打ちそばいろは外観
    手打ちそばいろは建物由来
    手打ちそばいろは鴨南蛮
    田舎蕎麦の鴨南蛮。柔らかな鴨肉が最高。

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